宝の山

 我が部屋は、雑然としている。職場でも、自宅でも。
もっときれいにしなさい、といつも家内に言われているのだが。
本や雑誌、その他もろもろが其処此処に山積み。
 本の群。後で読もうと思って栞を挟んだまま放置してある。
 雑誌の類。気になった情報が載っているページを折ったまま、そのまま放置されている。
 付箋たち。散らばっている色とりどりの付箋が、実行をせかしている。汚い筆跡で、なにやらいろいろメモしてあるが。
 郵便物の束。後でみようと思って、とりあえずその辺においてある。郵便物は早めにみた方がよい。いつも思っているが、いつの間にかその辺に散らかっている。だって、意味のある郵便物はそのうちの僅かですから。つまらない情報の中に、本当に必要な情報が埋没している。
 今日、たまたま、だいぶ前に来た封書を開けてみた。ソフトのアップグレードのお知らせ。えっ、もうすぐ締め切りじゃないか。開けるのが五日遅かったら、ただのゴミだった。
 処理能力の欠如か。それもあるかもしれないが、情報が多すぎるんだ。情報の多さにうんざりぎみ。
 いろんな情報を、いかにうまく取捨選択、整理し、手早く処理するか、目下の課題。ずっと以前から頭を悩ましている難問である。
 時々、ゴミの山を掃除しようとする。いかんせん情報の山だから、なかなか進まない。ちょっとやっては、読み、考え、ちょっとやっては、読み耽る。いつまで経っても終わらないどころか、ますます時間が足らなくなる。ああ、なんてこった。思い切って、読まずに捨てるのが最良の方法かとも思う。
 でも、その情報のゴミの中にあるんですよね。はっとするようなお宝が、埋もれているんですよね。