かめさん、長生きしてね

 小さいころから、亀が好きだった。初めて自分の亀を飼ったのは、小学校一年の時だった。銭亀を買ってもらった。ところが、冬眠の時に、殺してしまった。
 どのように冬眠させようか、子供の頭で考え、我ながら、すばらしいアイデアが浮かんだ。そうだ、マッチ箱にちり紙をつめて、その中に亀さんを入れておけば良いのではないか。そして実行にうつした。
 私の期待とは違う結果となった。翌春、そろそろ起こそうか、と思ってマッチ箱をあけたら、ミイラがいた。
 
 それから、三十数年後。
 息子に亀を買ってやった。どのように飼育するか、楽しみにしている。
小学校6年生だから、いろんな知識があるに違いない。えさ、水かえ、日光浴、そして冬眠。亀の飼育にはいろんな知識が必要だ。来春が楽しみだ。三十数年前の悲劇が繰り返されないように。
 
 今日、ふと息子の亀の水槽をのぞいて驚いた。お城、刀、手裏剣、その他諸々。もちろん、おもちゃだが、いろんなものが入っていた。
 来春まで生きていられるか?