プロ野球のストが中止されました

プロ野球のストが中止されました。とりあえず、皆さんほっと一息、といったところでしょうか。
 私のような部外者は、新聞などで情報を得るわけですが、とにかく今回のプロ野球界のごたごたは、よく解りませんでした。問題を私なりに整理すると、こういうことでしょうか。

  1. 経営的に問題のある球団がある
  2. セリーグパリーグでは、格差がある
  3. 特定の球団(もしくはその幹部)(これをGとしましょうか)が、勝手なことをしても平気な世界である
  4. その他の球団は、その球団に対し、正論が言えない、もしくは言う気がない
  5. 球界のこと、選手のこと、ファンのこと、それらをトータルで野球文化といっていいかもしれませんが、そういうものに対し、Gは、前向きで、創造的で、互助的な姿勢を持っていないように見える。私のような部外者から見ると、Gは、自分の球団、もしくは自分の思想、もうけ?のみを考え、みんなで納得して、みんなで楽しんで、みんなでよくなろう、という発想が全くなかった。

 二十数年前、でしたか、ドラフトをこけにした、ある事件がありました。ある有能な投手が、空白の一日を利用して、Gに入団したのでした。私がびっくりしたのは、球界の盟主といわれる球団が、平気でドラフトを無視したこと、ルールを勝手に解釈し、それが通ると考えたこと。もっとびっくりしたのは、球界が、結局それを認めてしまったこと。それよりもっともっとびっくりしたのは、その球団のファンがそれで激減しなかったこと。すなわち、日本社会が、ルール無視を認めたことです。
 その後のプロ野球界がどの方向へ流れていったかは、皆さんご存じのとおりです。不公平で、面白みのない、わくわくしないものへとなりました。4番打者ばかりがいるチームが悪いとは言いませんが、それはそれでおもしろいですが、その集め方に問題があったと考える人は少なくないでしょう。
 今回のごたごたは、どうにか収まる方向へ行っているようです。この流れの方向転換に、世論が大きな役割を果たしたように思えます。二十数年前は、問題が、問題として認識されませんでした。うやむやになりました。今回は、うやむやにならない方向でいって欲しいです。
 選手会が、経営者側に一泡吹かせた今回の事件は、日本社会の成熟を物語っているのかもしれません。二十年前には考えられなかったことです。
 ここ数年、政治家が、声高らかに、構造改革を連呼しています。プロ野球界を、日本社会の縮図と考えるとおもしろいかもしれません。構造改革を成功させる大事なヒントが隠されているかもしれません。