土筆

 朝の散歩コース。川と合流するところに、いま空き地がある。まっさら、きれいなまさ土が敷いてある。つい2〜3週間前まで、そこには建物があった。重機が入り、あっという間にまっさら。建物は古かったし使われてなかったようなので、まあ、壊されるのは仕方ないかな、とは思った。ただ一つ残念だったのは、そこに一本の桜があり、それも巻き添えを食ったこと。もうすぐ開花の時期だったのに。新しい季節の直前に消滅させられた。
 その土地の片隅に、毎年、土筆(つくし)がでる一角があった。当然、そこにも新しい奇麗な土が被せてあった。
 今日、何気なくその隅に目をやると、なんと、土筆が3本、のぞいていた。意外。嬉しいような、ほっとしたような。
 春の芽吹きを感じた一瞬でした。