ある子供の叱り方

 とあるショッピングセンターのお菓子売り場にて。
4〜5歳くらいの女の子が、だだをこねていました。
買って、買って、わーん。
よくある光景です。特に珍しくもありません。よくあることです。
 少し違うのは、2点ほど。
まず1点は、その子が、床に寝っころがって、かなり激しく手足をばたばたさせていること。かわいいフリフリのスカートをおおきく乱して、ばたばた。かなり大げさなパフォーマンスです。さすがここまでくると、親も根負けするのではないかと思われるほどです。お母さんかわいそう。子供は小悪魔です。
 さて、もう一つ、いつもと違うところ。これにはびっくりしました。
小悪魔に対し、母親が一言。
そんなに泣いたら、お医者さんに連れて行って、注射うってもらうよ。
なんと、この一言で、小悪魔は退治されたのでした。
小悪魔はたちまち立ち上がり、お母さんに手を引かれて、立ち去っていったのでした。ぐすんぐすんしてましたけど。
跡には、あっけにとられたギャラリーが残されました。すごい。なるほど。次から私もこの手をつかおう。同年代のお子さんを抱えているお母さん方は、多分そう思ったと思います。
 聞き分けの悪い子供をどう扱うか。いかに叱るか。子供を持つ親の共通の悩みだと思います。バチンとほっぺをひっぱたく。お尻をペンペンする。恐い顔で叱る。逆に、猫なで声でやさしく説得する。ほっておく。いろいろ方法はありますが、どれも悩ましいところです。
 さて、前述のお母さんの一言。確かに著効性、即効性があり、その場はしのげました。ただ、ちょっと引っかかるところがあります。もし、そのお子さんが、風邪をひいたりして、病院に行き、注射が必要となったとします。子供はなんと思うでしょう。
悪いことしてないのに、なんで注射うたれるの? と思わないでしょうか。
注射を打つのは、必要があるから。病気を治さないといけないから。
だだをこねたから、罰として注射をうつのではないはず。
おとななら、そんなこと解りますが、小さな子供さんが、それを理解できるでしょうか?
注射(もしくはお医者さん)を悪魔に見立て、子供を叱り、説得するのは、やめた方がよいのではないかと思うのですが、皆さんどう思われますか?
 それにしても、あの一言。よく効いた。なんでだろ。そんなに注射って怖いの?怖いよね。