雪の降る日は細い道を

 雪が積もっている日は、運転に神経を使う。
 以前、滑って車のコントロールが効かなくなり、もうちょっとで田んぼに落ちる、という経験をしたことがあるので、雪道は怖い。
 わがスタッフは皆、車で出勤してくるのであるが、雪が積もると遅刻が出てくる。朝寝坊して遅刻するのではなく、雪を考慮にいれていつもより早めに出ても、結果的に遅刻になるようだ。渋滞で、動かないのだ。
 先日、遠方から車で通勤してくるスタッフに、おもしろいことを聞いた。
 雪が降ったら、細い山道を通るんです。その方が早いから。
え?雪が降ったら、危ないから、広い国道を走った方がいいんじゃないの?
 国道は、渋滞で動かないんです。裏道の方が、かえって渋滞してないんです。
これは意外だ。雪が降ったら、表通りよりも、より滑る危険性の高い裏道を走った方が早いとは。
 なんでだろう。少々考えた。
雪が降ると、皆さんやはり滑るのが怖い。だから、よりリスクの小さい広くて平坦な道路を選ぶ。国道に車が殺到し、結果、国道は渋滞し、動かなくなる。冬用タイヤや、チェーンの装備のない車は、当然この選択をする。準備不足の車は、途中で動けなくなる。一台でも動けなくなってしまったら、その後に続く車は、すべて動けなくなる。渋滞だ。
 山道は、腕に覚えのあるドライバーのみが走るようになる。滑らないようにきちんとタイヤを替え、チェーンを巻いた車のみが走る。山道の方が滑るリスクは大きいが、準備万端整えているので、大きくコントロールを失うことは少ない。
 道路が滑りやすいか否か、ではなく、準備が整っているか否か、の違いのようだ。
ハードが整っていても、それを利用する人々の心がまえが整っているか否か、ということかもしれません。