暑い日には熱いコーヒーを

ある、非常に暑い一日のこと。
あまりに暑かったので、よく冷えたコーヒーが飲みたくなった。そこで、たまたま近くにあった自動販売機で、冷たいコーヒーを買った、つもりだった。出てきたのは、とてもホットな缶コーヒー。間違った。赤いラインのところを押してしまった。この暑いのに、ホットを売るなよ、と言いたいところだが、しかたない。注意してみなかった私が悪いのだ。暑さで頭がぼーっとし、目についたコーヒーの見本の下にあったボタンを何も考えずに押したのだ。まさか、この季節に、熱いのが出てくるとは。
 買った以上は、楽しく飲みたい。
 そうだ、暑いときに、熱いのをたしなむのが、粋なのだ。たぶん。ホットの好きな人は、このくそ暑い日にも、きっとホットを飲むのに違いない。たぶん。とかなんとか、粋がって、熱いコーヒーを、いっきに飲み干した。
ホット一息、汗、びっしょり。ますます暑くなった。